2018年8月31日
『てばなす』というフリーマガジンをご存知ですか?
これは特定非営利活動法人『おてらおやつクラブ』が発行するフリーマガジンです。
『てばなす』
非常に印象的な言葉ですよね。
正直、ネーミングセンスに脱帽しました。
これ以上の言葉が、私には思いつきません。
たった一言ですが、ダイレクトにその言葉の表すことが伝わってきます。
本昌寺が『おてらおやつクラブ』の活動に加盟して、そろそろ2年が経とうとしています。
その間にも、この活動は全国に広まりつつあります。
代表の松島さんは、『おてらおやつクラブ』が大きく広がりを見せた要因として、
・どなたでも参加しやすい仕組み
・ITを活用した運営
を挙げておられますが、1番の理由として
・「てばなす」の実践
であると考えているそうです。
『おてらおやつクラブ』はお寺の「ある」と社会の「ない」を繋げることで社会問題解決を目指す組織。
お寺の「ある」はお供え頂いたお菓子などのことで、それを手放すことで、そのお菓子を必要としている方にお届けする。
お寺が「てばなす」ことによってご縁が動き出し、広がりを見せながら、また新たな「てばなす」を生み出していく。
ご縁がご縁を呼ぶということですね。
また、この「てばなす」ということは、仏教の実践においても、非常に重要なポイントでもあります。
『執着』という言葉。
仏教では「しゅうじゃく」と読み、修行の妨げとなる心の働きを表した言葉で、物事に固執した状態のことを言います。
『執着』という心の働きは、人間が抱える苦しみの原因とされています。
人間って「てばなす」ことが苦手なんですよね。
特に、大切なものであれば大切なものであるほど執着にかられます。
恋愛などでも、執着による苦しみを経験をされたことがあるのではないでしょうか?
『おてらおやつクラブ』の活動は、社会への貢献とともに、「てばなす」を実践する活動でもあります。
「てばなす」ことで代謝が良くなり、新たなご縁が生まれる。
先行きの不安から、蓄えること、守ることに焦点がいきがちですが、手放すことで見えてくる世界もまたあるでしょう。
私も、例外なく手放すことが苦手な一人の人間ですが、手放すことで広がる世界を体感していきたい。
そんな風に思います。
こちらのフリーマガジン、お見かけしたら是非手にとって見てください。
心に響くものがあると思います。