2017年5月22日
本日は1年に1回の御守護神祭大祈祷会でした。
ご自宅で勧請されている御守護神様(大黒様や鬼子母神様、普賢三宝荒神様、妙見菩薩様など)をお寺にお持ち頂き、荒行を修められたお上人(私はこのお上人という言い方はあまり好きではないのですが、伝わりやすいので使わさせてもらいます)を10数名お迎えしてお勤めさせていただきました。
御守護神様へのご祈祷だけでなく、参詣者の方々の願いの成就と、神仏のお導きとご加護がありますことを願ってご祈祷致します。
写真見て頂けるとわかるかもしれませんが、日蓮宗のご祈祷では木剣とゆう法具を使ってご祈祷し、参詣者の方々にもお上人方からお加持を頂戴して頂きます。
なかなか迫力あるご祈祷ですので、初めての方はびっくりされる方もいらっしゃいますし、小さな子供さんは泣いてしまうこともございます。
しかし、お受けになられた方々は、
「なんだかスッキリしました。」
「お力を頂けた気がします。」
とおっしゃって下さいます。
本日は法要前に少しご祈祷についてお話させて頂きました。
ご祈祷とは単に願いを叶えて頂くために行うものではありません。
仏教では因縁ということをよく言いますが、その因縁には良い結果を導く『良因縁』と悪い結果を導く『悪因縁』があります。
ご祈祷はこの『悪因縁』を断ち切り、『良因縁』が結ばれることを願うものです。
その結果、願いの成就へと導かれるというのがご祈祷の妙です。
ここで大切なのは、一般的には『悪因縁』だと思われがちな病気や交通事故も、一概に悪因縁だとは言えないということです。
病気にはなりたくないし、交通事故などにもあいたくはないですが、これらのことを経て神仏のお導き(大切なことに気づかされること)を頂くこともございます。
私は自坊の繁栄を願っています。(これは経済的な繁栄という意味ではないです)
私の立場で申し上げるならば、昨今『お寺離れ』や『墓じまい』など、お寺の将来を考えた時に不安となるような事案が多くありますが、これを聞いた時に
「最近の若い人は信仰心がない」
「お寺の繁栄を願っているが、どうにも逆風が押し寄せてくる」
などと言ってるようではダメだと思います。
そうなってしまった原因があるわけで、それをよくよく考えなければならないし、そういった今のお寺が抱える問題点について真剣に考えるきっかけが与えられたのならば、お寺や僧侶にとって昨今の風潮は良い機会を与えて頂いているともいえます。
確かにお寺を取り巻く環境は厳しいですが、5年、10年先、『お寺離れ』や『墓じまい』などのせいで、お寺が衰退してしまった・・・
ではなく、そのおかげで今のお寺がある!と言えるように精進していきたいと思います。
神仏に祈り、前を向いて真摯に取り組めば、そこに必ずご加護があります。
そんな目には見えないご加護を感じて頂くこと。
ご祈祷において大切なのは、そんな気づきを与えてもらえることであると思っています。
副住職 泰丈