2017年8月1日
夏になれば「暑い!」と言い、冬になれば「寒い!」と不平不満を言う。
不平不満の前におかげの心を持ちましょう。
とある飲食店のトイレにこの言葉がありました。
・・・
「暑い‼️‼️」(-。-;
おかげの心が大切・・・
承知はしていますが、不平不満を言わずにいれないぐらい今年は酷暑ですね(-。-;
7月もあっという間に過ぎ去り、今日から8月に突入。
さぁ、明日から棚経が始まります。
また当山では8月9日にお盆施餓鬼会をお勤めいたします。
お盆の施餓鬼会の際のご回向で、お坊さんがなんて言っているか、あまり聞き耳を立てている方はいないかと思いますが、実はこんなことを言っています。
「目連尊者の来由を思い・・・」
「慈母を救う目連尊者の来由を思い・・・」
これは、お盆の由来の事を言っています。
お盆の由来・・・
ご存知の方も多いかもしれませんが、本年のお盆を迎えるにあたり、今一度、目連尊者の来由を振り返ってみたいと思います。
目連尊者というのはお釈迦様のお弟子のお一人です。
とても聡明なお方で、お弟子の中でも『神通第一』と称され、不思議な力を備えたお弟子さんでありました。
ある時、目連さんは自身の不思議な力で、亡くなった母が元気でいるかを見ようと試みます。
ところが母は元気どころか、餓鬼界に堕ちて苦しんでいたのです。
餓鬼界は飢えと渇きに苦しむ世界。
欲深く、嫉妬深い人が堕ちる世界。
目連さんは優しかった母がなぜそのような世界に堕ちてしまったのか理解できません。
餓鬼界で苦しむ母を助けようと、目連さんは不思議な力で食べ物を与えようとするのですが、食べようとすると燃え尽きてしまい、さらなる苦しみが母を襲います。
どうすることも出来ない目連さんは、お釈迦様に助けを求めます。
すると、お釈迦さまはこのようにおっしゃいます。
「おまえの母は、おまえがかわいくておまえを愛するあまり、他者を思いやる心を忘れてしまった。他者の子供がよくできる子供だと嫉妬をしたり、今でも充分幸せであるにも関わらず、もっともっとと貪りの心に支配されてしまったのだ。」
そしてこう続けられます。
「母を救うには見返りを求めない布施行しかない。布施の行いによって、母だけでなく餓鬼界で苦しむ人々を救うことが出来るだろう。」
目連さんはお釈迦様の教えに従い、修行を終えられたばかりの清らかな僧侶方に、たくさんの食べ物、飲み物を施します。(布施行)
施しを受けた僧侶方は皆で祈ります。
どうか餓鬼界で苦しむ方々をお助けくださいと。
これによって母をはじめ、たくさんの方が救われたのです。
めでたしめでたし。
これがお盆の由来です。
私にも子供がいます。
目連さんのお母さんが我が子を大切に想う気持ち。
これはとても共感できますし、誰もが思い当たるふしがあるようなお話だったのではないでしょうか?
お盆は自分自身の貪りの心を見つめ直す仏教行事でもあります。
「目連尊者の来由を思い・・・」
初めて聞いた方も、知っていらっしゃった方も、改めてその来由を思うお盆になればと思います。
私もそんな来由を思いながら、本年のお盆をお迎えしたいと思います^ ^
暑さ厳しき折、皆さまご自愛ください。