ラジオ岸和田『百田達人のぼちぼちいこか〜』

2019年2月8日

1年ほど前でしょうか。

とある方から頂いたご縁で、ラジオに出演させて頂いたのですが、実はそれ以来ちょくちょく出演しておりまして、2月7日も生放送と後日分の収録に行ってきました。

MCの百田さんから、

「何か仏法をお願いします」

とのことで、以下のようなお話をさせて頂きました。

今からご紹介するお話は、お経に出てくるお話です。

お経は難しい話をわかりやすく伝えるために、譬え話が多く用いられているのですが、これからご紹介する話もそんな譬え話の一つです。

1人の男がいました。

その男には4人の奥様がいました・・・

一夫一妻の現代の日本では、この時点であまり共感できないかもしれませんが、そこはご理解ください。

それぞれの奥様が、ご主人とどのような関係性であったかをご紹介して参ります。

まずは1人目の奥様、こちらの奥様は、ご主人にとっても大切にされていました。どのように大切にされていたかというと、綺麗なお召し物や身を着飾る宝石、美味しい食事を与え、病気で体調を壊したりしようものなら、親身になって看病する。そんな寵愛を受けておられました。

続いて2人目の奥様、この奥様は非常に容姿端麗な方でした。そんな奥様ですので、ご主人は浮気をされまいと考え、なるべく多くの時間を一緒に過ごし、自分の目の届かない時には、鍵のかかった部屋に閉じ込めてしまうようなこともしていたそうです。

続いて3人目の奥様、こちらの奥様はご主人と非常に気の合う方で、夢を語り合ったり、楽しい話をしたり。ご主人にとって、心地よい時間を共有できる存在でした。

最後に4人目の奥様、ご主人はこちらの奥様にはほとんど興味を示さず、使用人や召使いのごとく、ひどい扱いをしていたそうです。

そんな4人の妻を持つ男は、ある日、とある理由で今住んでいる場所を離れて、遠くの国に旅立たなくてはならなくなります。

なんでなん?

という質問はなしにしてくださいw

種明かしは後で致します。

旅に赴くにあたり、男は妻に一緒に来てもらいたいと考えます。

そして、それぞれの妻について来てほしい旨を伝えます。

しかし・・・

1人目の奥様「あなたには大切にして来てもらったご恩があるけれど、そんな遠くの国にお供することはできません」

2人目の奥様「は? そんな遠い国ついていけるわけないじゃない」

3人目の奥様「お見送りは致しますけど、ついていくのはちょっと・・・」

3人の奥様にはことごとく断れてしまいます。

残ったのは4人目の妻・・・

今まで酷い扱いをしてきたこともあって、断られるだろうと思いながらも男は尋ねてみたのです。

すると4人目の奥様は

「あなたの元に嫁いで以来、私はあなたと共にありました。それはこれからも変わりません。あなたと共に参ります」

この言葉を聞き、男は心の底から後悔し、懺悔しました。

本当に大切な人が誰なのかに気付かされた男は、4人目の妻と共に、遠くの国に旅立って行かれました。

ちゃんちゃん・・・

と、まぁこのようなお話です。

冒頭で申し上げたように、これは譬え話です。

何に例えられているのかわかるでしょうか?

 

種を明かします。

男・・・自分自身

1人目の奥様・・・自分の肉体

2人目の奥様・・・財産、お金、物質的に価値あるもの

3人目の奥様・・・家族、友人

4人目の奥様・・・自分自身の魂、自分自身の業(結果を伴う行い)

遠くの国への旅立ち・・・死ぬこと

 

4人目の奥様に例えられている自分自身の業というのが、少しわかりにくいかもしれませんが、この世で自分が頭の中で考えたことや思ったこと、口に出したこと、行動したことです。

 

どうでしょうか?

あぁ、なるほどなといった感じでしょうか?

 

2月7日の生放送では、このお話をご紹介させて頂きました。

このお話から、それぞれに学びがあるかと思います。

死ぬ時には3人の奥様は連れていけないんだなと改めて実感したとか。

自分自身の行動、振る舞いには責任を持たねばならないなとか。

 

私が感じたのは、誰かが誰かの為になっている。誰かが誰かの助けになっている。

無力だと感じることは、人生の中で多々あるけれど、こんな自分でもどこかで誰かの助けになっているかもしれない。

もしどこかで誰かの助けになっているのならば、それは自分の業(行動)によるものだと思うのです。