2021年4月29日
4月29日、一般社団法人リヴオン代表の尾角光美さんに、グリーフについて学ばせて頂きました。
グリーフという言葉、最近はよく聞くようになりました。
どれだけ横文字が苦手なお坊さんでも、グリーフという言葉を知らない方はいないだろうと言えるほど、この業界において非常に浸透した言葉だと思います。
ただ、その定義が自分の中でも曖昧であったので、改めて学ばせて頂きました。
まず、グリーフとは何か?
次のような定義があります。
「大切な人、大切なものなどを失うことによって生じるその人なりの自然な反応、感情、プロセス」
悲しみ、怒り、後悔、感謝、安心、無感動。
色々な反応が起きます。
もちろん上記だけに及びません。
中には、今挙げた6つの反応を見て、違和感を覚える方もいるかもしれません。
私は、安心、無感動に違和感を覚えました。
大切な人や大切なものを失った時の感情として、安心や無感動とは結びつきにいと感じたからです。
ですが、状況はその時々で様々です。
長らくご主人の介護に関わってこられた奥様が、ご主人を看取られた後に、ほっと安心することもあります。
厳しい闘病生活を間近で接してこられたご家族はであるなら、痛むことも苦しむこともない安らかな故人の尊顔を拝して、安堵することもあるでしょう。
初めて喪主を経験する方にとっては、気丈に振る舞うことを心がけて、無感動な反応になることもあるでしょう。
いかなる反応であろうが、それらもすべてグリーフであるという事。
今回学んだことで、一番腑に落ちたのがこの事でした。
母を亡くしても涙ひとつ出なかった。
このような自分の反応に悩まれる方もいらっしゃいます。
悲しむことが普通の反応だと思い込んでいるから、悩まれるのだと思うのですが、その反応もまたグリーフであり、一人一人個性のあるものだという事。
私自身の悩みも、少しばかり解消することができました。
ご遺族の方々の伴走者となれるよう、励んでまいります。
何か相談事や聞いて欲しい話のある方、私でよければお聞かせください。
突然のご来寺には対応できない事もありますので、お問い合わせの上お越し下さいませ。